麻生久美子:インタビュー 「等身大の役は恥ずかしい」 あふれる“女優魂”

2009年5月14日 毎日jp > 毎日KiReI > 彼女がキレイな理由(わけ)

出演作について語った麻生久美子さん 主演映画「夕凪の街 桜の国」(07年)で数々の映画賞を受賞し、08年には7本の出演作が公開された女優の麻生久美子さん(30)。今年も6月までに5作品の公開が決まっている。16日から、「V6」の岡田准一さん(28)と共演した「おと・な・り」が東京・恵比寿ガーデンシネマで先行公開される。恋愛や生き方に悩む等身大の女性を演じる麻生さんは「慣れてなくて恥ずかしい」と笑う。【細田尚子】

 映画は、フラワーデザイナーを目指し、花屋でアルバイトをしながらフランス留学を志す七緒(麻生さん)と友人の人気モデルを撮影した写真集で名をはせた気鋭のカメラマン、聡(岡田さん)という、アパートの隣同士に住む30歳の男女の等身大のラブストーリー。麻生さんは「最近、ずっと変わった役を好んで演じてきたので(笑い)、等身大の役は妙に緊張する。というか、慣れてなくて恥ずかしいんですよね」とはにかむ。

 七緒を演じていて、つい素の自分が出てしまったこともあったという。「完ぺきに素ではないと思うんですけど、割と近い感じになっているのかな。メロンパンを食べているところは、素に近いと思います」と笑う。「この映画でメロンパンと牛乳のゴールデンコンビを知って、ハマって、違う現場でもこの組み合わせをずいぶん食べました」と明かした。

 初共演の岡田さんは「クールなイメージだった」というが、「面白いし、明るいし、関西人だからなのか、話すことにすごくユーモアがあって、よく人にツッコミを入れてました。すごく気を遣う方でよく周りを見ていて、ずいぶんと現場の雰囲気を明るくしてくれました」と全く違う印象に変わったそうだ。

 留学のため、フランス語を練習しているという役柄で、撮影前に1日だけレッスンする時間をもらった。「(練習中の役だから)普通に繰り返ししゃべるだけでいいのかなと思っていたら、熊澤(尚人)監督から『意外と七緒はしゃべれるんです』と言われて、発音など、もう少しちゃんとやらなきゃいけないと、個人的に練習しました」と役作りには少しの妥協も許さない。

 女優として伝えたいことは「その役の生き方だったり、映画に込められたメッセージだったり、監督の思いだったり……。それしか考えられないです。“麻生久美子として”何かを伝えたいということはない」と言い切る。役を演じ切ることに懸ける“女優魂”を感じた。



http://mainichi.jp/life/kirei/graph/beautiful08/
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