シネマの週末・トピックス:純喫茶磯辺
 妻に家出され、高校生の娘と暮らしている磯辺。父親の遺産を手にした彼は、思いつきで「純喫茶磯辺」を開店する。「机のなかみ」で注目を集めた吉田恵輔監督の最新作。いいかげんな主人公(宮迫博之)が、妙に色っぽいアルバイト(麻生久美子)にひかれ、いつもふくれっ面の娘(仲里依紗)が父親の姿にあきれている。そんなダメ人間たちの夏を描く。

 他人をイラつかせてしまうヒロインをはじめ、映画では描かれにくい生々しいキャラクター造形が秀逸。浅はかな企(たくら)みやら、都合のいい錯覚やら、人間の恥ずかしい部分をとことん見つめ、その先に愛(いと)おしさを感じさせてしまう監督の手腕が光っている。1時間53分。テアトル新宿ほか。(細)

 ◆もう一言

 中年男性の哀愁と体臭がプーンと漂ってくる宮迫の演技に拍手。麻生もコミカルな演技の中に、三十路にさしかかる女性の微妙な心理を巧みに表現している。(広)

毎日新聞 2008年7月4日 東京夕刊


http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20080704dde012070078000c.html
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